ジョリーグッド、ミャンマーで介護教育のVR提供
2020年02月04日
仮想現実(VR)映像を制作するジョリーグッド(東京・中央)はミャンマーでこのほど、介護人材に専門知識を教えるVRシステムの提供を始めた。現場にいるかのような臨場感のある映像を使い、高齢者への対応の仕方を効率良く学んでもらう。海外展開はミャンマーが初めてとなる。
VRで介護士の目線に立って学習する受講生(ヤンゴンのミャンマー・ユニティの教室)
ジョリーグッドは企業研修や教育用のVRコンテンツを開発している。日本で提供している介護用VRコンテンツを外国人向けに改良し、日系の人材送り出し機関であるミャンマー・ユニティに1月に提供した。
受講生は介護現場で必要なノウハウを集中して学ぶ。心肺停止や転倒に伴う出血といった不測の事態を疑似体験し、実際に起きたときに備えるコンテンツなどがある。
VRを使うと通常の授業では難しい体験が可能になる。例えば施設にいる認知症の患者が「家に帰りたい」と訴えるとき、介護士が実際にどう対応するのか高齢者の目線で観察する。介護サービスを受ける相手の視点で考える訓練になる。
ミャンマー・ユニティの北中彰最高顧問はVR導入の背景について、教える講師が不足しつつあり「教育の質の確保が課題となっていた」と話す。ジョリーグッドの上路健介最高経営責任者(CEO)は「VRは理解度のばらつきを減らせる効果もある」と話す。
導入費はゴーグル10台を含むセットで62万円。これとは別に月額15万円の使用料がかかる。今後はベトナムや中国など人材の送り出しが多い国々での事業を目指す。
日本経済新聞より抜粋