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「特定技能」取得に温度差 外国人アンケート

2020年03月05日

◆5年期限、給与など事情

 日本各地で働く外国人約三百人を対象に本紙などが実施した調査では、技能実習生と留学生の間で、新たな在留資格「特定技能」への期待に大きな差があることも分かった。賃金不払いなどさまざまな問題が生じている技能実習生は待遇の向上を期待する一方、留学生にとっては有力な選択肢とはなっていないようだ。

 ものづくりが盛んな県内では、二〇一九年十月末時点で約六万四千五百人の外国人が働く。五年前に比べ一・七倍増え、人口に占める割合は東京や愛知などに続いて五番目に多い。在留資格は、日系人や日本人の配偶者といった「身分に基づく在留資格」が58%と最も多く、「技能実習」が23%。留学生のアルバイトなど「資格外活動」は7%で、「特定技能」は昨年末現在で三十二人しかいない。

 今回の調査では、特定技能への在留資格の切り替えについて「望んでいる」と答えたのは、技能実習生が72%で、留学生は半分以下の32%にとどまった。

 本紙がアンケートした浜松市内の留学生も、二人とも希望しなかった。

 都内に住むネパール人男性(24)は、専門学校に留学していた昨年七月に特定技能の試験に合格したが、特定技能ではなく「技術・人文知識・国際業務」(技人国)の就労ビザを取得し、ホテルに就職した。理由について「特定技能は五年働いたら帰らないといけないし、家族を連れてくることもできない」と説明する。

 一方、技能実習生としてパン工場で働くインドネシア人女性(19)=茨城県常総市=は「月十五万円の収入があり、満足している」としながらも、特定技能について「もっと給料がいいから」と興味を示した。

 東京工業大の佐藤由利子准教授(留学生政策)は「留学生にとっては、他の就労資格に比べて、五年という期限のある特定技能の魅力が低い。技能実習生には、日本に残る選択肢が他にない人が多いからだ」と原因を分析している。

 

中日新聞より抜粋

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