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コロナと介護 ケア継続へ支援強化を

2020年05月19日

 新型コロナウィルスの影響で休業する介護事業所が増えている。多くが、高齢者が日帰りで食事や入浴のケアを受けるデイサービスや短期入所の施設だ。

 高齢者は感染すると重症化しやすいと言われている。命を守ることが何よりも大事なのは言うまでもない。

 だが、利用者の中には、介護サービスを受けられないと生活が立ちゆかなくなる人もいる。自宅で孤立し、心身の状態が悪化することも心配だ。

 感染対策を徹底しながら、必要な介護サービスを継続できるようにする。そのための支援に全力を注がねばならない。

 厚生労働省によると、緊急事態宣言が全国に拡大された4月16日前後の1週間に休業した介護事業所は909カ所。その大半が自治体からの要請ではなく自主判断によるもので、前の週の1・7倍に増えた。

 特別養護老人ホームなどの入所施設では早くから、面会制限などの対策を講じてきたが、そうした施設ですら、感染例の報告がある。人の出入りが多い通所施設などでの感染対策は、より難しいだろう。

 事業所によっては「3密」を防ぐために利用時間や定員を見直したり、入浴などにサービスを絞ったりしている所もある。感染リスクを抑えながら、必要性の高いサービスを続ける工夫をこらしてほしい。

 厚労省は、デイサービスの提供が困難な場合に職員が利用者の自宅を訪問したり、電話で健康状態の確認をしたりすることも特例で認め、介護報酬を支払うとしている。こうした仕組みの活用や、地域の他の事業所との連携など、代替サービスの確保に知恵を絞りたい。

 通所施設を中心とした介護サービスの縮小・休止で、重い負担がのしかかっているのが訪問介護の現場だ。

 ホームヘルパーが訪問する個人宅では、施設のように感染予防を徹底することが難しい。だが、マスクや消毒液などの衛生資材は多くの事業所で不足しているのが実情である。早急な手当てが必要だ。

 介護は慢性的に人手が足りない。とりわけ訪問介護は報酬が抑えられ、処遇の低さが人手不足に拍車をかけてきた。

 多くのヘルパーは、自身が感染し、広げてしまうのではないかという不安を抱えながら仕事を続けている。政府は、新型コロナウィルスの対応にあたる医療現場の診療報酬を上積みするなどしているが、介護現場の努力にも報いるべきだ。

 介護や訪問診療などで在宅の暮らしを支え、重症化を防ぐことは、地域の医療を守るうえでも大切なことである。

 

 

朝日新聞社説より抜粋

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